シャトー・ムートン・ロートシルトの当たり年!飲み頃や産地も紹介

シャトームートンロートシルト フランス

シャトー・ムートン・ロートシルトの当たり年や飲み頃を紹介します。ムートン・ロートシルトは唯一メドックの格付けで1級へと昇格したワインです。グレートヴィンテージと言われている100点の年もあります。品種構成や産地まで色々見ていきましょう。

ムートン・ロートシルトの当たり年

■2018年、2017年、2016年、2015年、2012年、2010年、2009年、2005年、1986年、1982年

高評価のヴィンテージが上記になります。上記の年のワインはブドウの成熟度が高く、いわゆる当たり年ですね。飲み頃は長期熟成で10年~30年です。

抜栓の際にはデカンタージュをする前のワインを少しグラスに注いでおいて、デカンタージュしたワインと比較してみるとまた違った味わいを感じれると思います。

ほしいと思った当たり年ワインは早めに購入することをおすすめします。値段が上がりますし、売り切れると、見つけ出すことがかなり難しくなります。

ムートン・ロートシルト当たり年を分析

 RPWSWEJSJDDWWTAVW&S平均
201998-10099-10098 98.8
2018999910098100 99.2
2017999898979697 97.5
2016100989810010099100 99.3
2015989698999998 98
2014959696999795 96.3
201393939895 94.8
20129695979795 96
201195959596 95.3
2010999998100100100 99.3
20099998969899 98
2008959296949696 94.8
2007929590 92.3
200696959795 95.8
20059898959896 97
200491959493.3
200395949492 93.8
2002919191 91
200194 94
2000979397939595
19999390 91.5
19989691919493
1997909492
19969796 96.5
19959596 95.5
199491 91
1993909090 90
1992 
1991 
19909090 90
1989939698 95.7
19889293 92.5
1987 
198610099100 99.7
198590 90
1984 
1983919493 92.7
19821009899
RPRobert Parker’s Wine Advocateロバート・パーカーワイン評論家
WSWine Spectatorワイン・スペクテーターワイン雑誌
WEWine Enthusiastワイン・エンスージアストワイン雑誌
JSJames Sucklingジェームス・サックリングワイン評論家
JDJeb Dunnuckジェブ・デュナックワイン評論家
DDecanterデキャンターワイン雑誌
WWWilfred Wong of Wine.comウィルフレッド・ウォンワイン評論家
TATim Atkinティム・アトキンワイン評論家
W&SWine & Spiritsワイン&スピリッツワイン雑誌
VVinousヴィノス有料ワインサイト
(1週間毎日ワインさんより引用)

上記票の平均の点数も出しましたが、この平均に関しては全部の評論家、雑誌が答えを回収できていない為そこまで信憑性はないかもしれませんが、ものすごい高得点が出ている

飲み頃について

グラスにワイン

カベルネソーヴィニヨンの比率が多く、飲み頃を迎えるまでには長い年月が必要となります。飲み頃を間違えてしまうとせっかくのポテンシャルを発揮することなく終わってしまいます。

熟成していないワインは酸味を強く感じ、タンニンはガシガシとして香りも少ないことが多いです。

果皮が厚く小粒の品種カベルネ・ソーヴィニヨンはポリフェノールの量に関して言えば、含有量が多く熟成に向き、飲み頃のピークを迎えるのが遅いと言われます。

10年~25年で飲み頃のピークを迎える

樽熟成

2003年のシャトー・ムートン・ロートシルトを例にした有名なワイン評論家の意見があります。

英国人評論家ジャンシス・ロビンソンは飲み頃を2010年~2023年としていますが、もう一人の有名なアメリカ人評論家のロバート・パーカーのサイトでは2014年~2029年としています。

少なくとも10年は寝かせる必要があります。

平均的には10年~25年で飲み頃のピークを迎えます。

ここで補足させていただきます。2003年は、フランスが記録的な熱波に見舞われたヴィンテージです。

ボルドーでは、春先までは比較的暖かかったですが、4、5月は冷涼な気候になりました。
しかし、6月から暑さが始まり、8月には11日連続で35℃を超え、40℃以上を記録した日もありました。

熱中症になる方が続出した年でもあります。
そしてワインの酸は穏やかで、ポートワインのような甘さがと高いアルコール度数が特徴のワインとなりました。

2017年を2018年に試飲した感想

試飲

私は2018年の収穫時期にシャトー・ムートン・ロートシルトのワイナリーを訪れた時のお話です。ワイナリーのスタッフの方に畑とワイナリーを案内してもらい、最後に2017年のワインを試飲させてもらいました。

他の産地の2018年に口にする赤ワインは早飲みの傾向が出ており、割と早飲みしても以外にバランスが良かったり、完成している場合もありました。

しかしシャトー・ムートン・ロートシルトは信念を貫きますね。2017年のワインは香はすでに複雑な印象がありました。少し口に入れると酸とタンニンに口の中は占領されて、固い印象を受けました。

ただここで思うのが、ワインのボリューム感はものすごく感じます。アフターにかけてどんどん色々な香りが上がってきました。当たり年のワインほど長期熟成向きです。2017年のワインは間違いなく長期です。

飲み頃に注意したい点

ダイニングテーブル

当たり年といわれるワインはかなりの長期熟成に耐えることができます。ただ問題は、気温差が少なかったり、暑い期間がずっと続いてしまった時のワインは注意が必要です。

いわゆる「難しい年」とされるヴィンテージはあっという間に熟成が加速して、みるみるうちに飲み頃のピークを過ぎてしまうことがあります。

酷暑が続いたり、高温続きの年には酸の含有量が少なくなる為に、熟成が早まったということが裏付けされます。

飲み頃は難しく思われがちですが、

「当たり年=ブドウの成熟度が高い年」

これが分かっていれば飲み頃を導き出すのは難しくはありません。

シャトー・ムートン・ロートシルト

シャトー・ムートン・ロスチャイルド2018

生産者
CH. MOUTON ROTHSCHILD
シャトー・ムートン・ロートシルト
(シャトー・ムートン・ロスチャイルド)
フランス読みと英語読みで呼び方が違います。

生産地
フランス

フランスボルドーポイヤック

品種
カベルネ・ソーヴィニヨン
メルロ
カベルネ・フラン
プティ・ヴェルド

格付け
メドック格付け第1級

容量
750ml

原産地呼称
AOC. PAUILLAC

シャトー・ムートン・ロートシルトとは

ムートンワイナリー

1855年のパリ万国博覧会の際にナポレオン3世の要請を受けて制定されました。このメドックの格付けは100年以上も変更されることはありませんでした。

それを覆し、第一級に格上げされた唯一のシャトーがありました、それがこのシャトー・ムートン・ロートシルトです。

ユダヤ系の大富豪ロスチャイルド家がこのシャトーを買収したのは、1853年のことでした。ところが、その2年後のメドックの格付けで、必ず一級を取ると思われていたこのムートンは、二級に格付けされてしまいました。

当時から有名なワインでもあり誰もが1級だと思っていたことが違う結果となりました。

このことに奮起したロスチャイルド家は、「一級にはなれないが二級には甘んじれぬ、ムートンはムートンなり」と言い放ち、畑、醸造技術、熟成方法などに改良を加え、一級になるために様々な働きかけを行ってきました。

4世代にわたる努力の末、1973年の118年後、 シャトー・ムートンは悲願の昇格を果たしました。その時の有名な逸話が残っております、

「Premier Je suis,second Je fus,Mouton ne change」
「われ一級になりぬ、かつて二級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」

建築と伝統が調和する空間

木製タンク

シャトー・ムートン・ロートシルトの新しい醸造庫は、ムートンのワイン造りにおける新たな歴史の始まりを象徴しています。ここでは、ハイクオリティな技術革新を追求した設備が使われていますが、同時にメドックの伝統的な建築様式と建材も大切にされています。

建物デザインは、メドックに伝わる美しい建築様式と建材を見事に融合させています。全長約70メートルの建物は、上下階がエレガントな鉄の柱で繋がれています。木と鋼の素材が巧みに調和し、心地よい空間が広がっています。

シャトー・ムートン・ロートシルト圧搾機からステンレスタンク、木製タンク

「ムートン式」として知られるオーク材の木製タンク(画像一番右)は、今もなお大切に守られています。44基の木製タンクに加えて、20基のステンレスタンク(画像中央)も設置され、より多くのワインを醸造することが可能となりました。

画像の一番左は圧搾機です。

シャトー・ムートン・ロートシルトの新醸造庫は、伝統と革新が見事に融合した、素晴らしい場所なのです。これからも美味しいワインを生み出し続けることでしょう。

「グラン・シェ」

グラン・シェ

1926年、ムートンが誇る「グラン・シェ」が建設されます。建築家シャルル・シクリスの作品です。

「グラン・シェ」はフランス語で、「大いなる収穫」または「大きな収穫」という意味です。
木樽に入れてから1年目の育成庫です。

グラン・シェでは、庫内の温度は自然のままに保たれています。南北方向を向いた建物からは、小さな窓から心地よい風が入り込み、ワインの中に浮遊している微粒子の沈澱が促進されるんです。

この「1年目の育成庫」では、6ヶ月間の育成が行われた後、樽は2年目の育成庫へと移され、残りの12ヶ月の育成を経て、最終的にボトル詰めされるんです。

育成庫で行なう作業は3つあります。まずは「ウイヤージュ(補酒)」

ワインが樽の木材に吸収されるか、あるいは蒸発するため、週に3回ほどワインを樽に補充する作業なんです。

次は「コラージュ(卵白清澄)」。微粒子の沈澱を促し、ワインをクリアにして安定させる作業です。

そして最後に「スーティラージュ(澱引き)」。ワインを樽から樽へ移し換えることで、澱を除去し、透明な液体部分と分ける作業です。これを繰り返すことで、ワインの明澄度と輝きが増していくんです。

育成庫2

これらの工程を丁寧に行うことで、グラン・シェでは美味しいワインが生み出されるのです。

ボトル地下カーヴ

Mouton-Rothschild

ムートン・ロスチャイルドの地下カーヴには、ボトル貯蔵庫、ヴィノテーク、そして2年目の樽育成庫が設置されております。

ボトル貯蔵庫には、現在約12万本のワインが保管されていて、これらはムートン・ロスチャイルドとボルドーの一流シャトーとの間で贈呈し合われて形成された貴重なコレクションなのです。

こちらに保管されているワインボトルは、25年から30年に一度コルク交換が行なわれ、シャトーでの食事会などでお供されているのです。

シャトー・ムートン・ロートシルトカーヴ

ヴィノテーク(ワイン資料庫)は、全ヴィンテージを後世のために保管する大切なスペースです。ムートン・ロスチャイルドでは、750ミリリットルボトル24本、マグナムボトル6本、ジェロボアムボトル3本と、各ヴィンテージのワインを欠かさずここに保管しております。実際、現在一番古いボトルは1859年のヴィンテージでございます。

シャトー・ムートン・ロートシルトカーヴ2

そして、2年目の樽育成庫では、前年に収穫されたワインをグラン・シェでの育成を経て、更なる育成工程が行われます。

こちらの地下カーヴは、ワインの保管に理想的な環境が整っております。

で、常に安定しているんです。また、ほとんど光が入り込まないように配慮されています。これによって、ワインが最適な状態で大切に保管されているのです。

シャトー・ムートン・ロートシルトは5大シャトーの一つ

ぶどう畑

5大シャトーの中でもシャトー・ムートン・ロートシルトは、豪勢なワインと言われています。 カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高目で、飲み頃になるまでに時間がかかる長期熟成型のワインです。

エレガントなブーケと豊かなボディを持つ比類ないワインです。シルクのようなきめ細かさ、アーモンドとすみれの香りを秘めたエレガントな芳香、そして酸味とコクの結びついたバランスの良さは、理想の赤ワインが備えている全ての条件をくまなく発揮しています。

シャトー・ムートン・ロートシルトはボルドーメドック格付け1級

ムートンロートシルトラベル

「5大シャトー」この言葉を一度は聞いたことのある方も多いかと思います。常に注目を集め、その価格は年々上がり続けているワインです。

ワイン好きの方は一度は口にしたことがあるかもしれませんが、今ではもう死ぬまで一度も口にすることがない方もいると思います。
それぐらい人気であり希少なワインでもあります。もちろん高価で取引されております。

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産地はボルドーポイヤック

ポイヤックのブドウ畑

ポイヤックは出来の良いカベルネ・ソーヴィニヨンを生み出すこのとができる随一の銘醸地です。ポイヤックは、ジロンド河沿いから内陸まで競い合うように多くのシャトーがひしめく村です。

5大シャトーのラフィットロートシルト、ムートンロートシルト、ラトゥールの3つが存在し、他にも格付けシャトー数が多く存在します。

アペラシオン全体に存在する大きな砂利が水はけをよくし熱を蓄えるため、ブドウの果実がしっかりと成熟します。

そのため出来の良いカベルネ・ソーヴィニヨンが育ちます。出来上がるワインは、清涼感のある杉の木のヒントに花の香り、そして濃密なボディの気品ある味わいとなります。

品種について

カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド

カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネソーヴィニヨン

フランス・ボルドー地方原産の黒ブドウ品種。ボルドーが世界一有名なワイン産地であるのと同様に、ボルドー原産のカベルネ・ソーヴィニヨンも世界一有名なブドウ品種です。

カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの自然交配により生まれたとされていて、小粒で果肉に対して種子の比率が大きく、果皮が厚いため、タンニン(渋み成分のポリフェノールの一種)が豊富で色調の濃いワインになります。

ボルドーではジロンド川左岸のメドックやグラーヴ地区で主に栽培され、引き締まった味わいの長期熟成タイプのワインが造られます。故郷のボルドーから世界各国へ赤ワイン用ブドウの中で栽培面積世界第1位を誇るカベルネ・ソーヴィニヨン

晩熟で、冷涼な産地では十分に熟成しづらいため、比較的温暖で雨量が少なく、水はけの良い場所で栽培されています。フランスでは1980年代に栽培面積が増加し、ボルドー地方からヨーロッパ全土に広がり、アメリカのカリフォルニア州やチリ、南アフリカ、オーストラリア、アルゼンチン、日本のほか、中国の雲南省や山西省でも栽培されている。

メルロー

メルロー

フランスで最も沢山植えられている黒ブドウの品種はメルロー。 ワインの色は濃く、味わいにも厚みがありますが、カベルネ・ソーヴィニョンより角がなく、まろやかなので、 比較的若いうちから飲みやすいです。

カジュアルな赤ワインから「ペトリュス」のようなとんでもなく高級なワインにも使用されている品種です。香りはやや粒の大きい黒果実でプルーン等に例えられます。

熟成することで土っぽいニュアンス、素晴らしい山地で造られたワインにはトリュフのような高貴な香りを感じます。 ワインをブレンドする上で、カベルネ・ソーヴィニヨンに不足している部分をとてもうまく補うことのできる、優れた相棒です。

カベルネ・フラン

カベルネフラン

カベルネ・フランは赤ワインの原料となる果皮が黒いブドウで、カベルネ・ソーヴィニヨンの交配親(原種)です。房は小さめ、青みを帯びた黒い果粒で、ブドウの外見はカベルネ・ソーヴィニヨンにかなり似ています。

一般的には、ボルドーの赤ワインに代表されるように、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロのワインにブレンドする品種として栽培されていますが、カベルネ・フラン主体も

プティ・ヴェルド

このプティ・ヴェルドは、とても力強く、パワフルなぶどう品種です。
いわゆる「フルボディ」のワインです。

色濃く、香りが豊かで、しっかりとした酸味と豊かな果実味が感じられます。さらに、ワインの渋みである「タンニン」も豊富に含まれているので、骨格のしっかりとしたワインになります。

まとめ

ボルドーの街並み

当たり年に限らずシャトー・ムートン・ロートシルトは優れたワインです。ワイナリーの醸造から近代的なシステムやワインに関しての研究は計り知れません。

私が最後に訪れた2018年のブドウは、成熟度も高くものすごく良いワインができると聞いておりましたが、ものすごい高得点を獲得したワインになっておりました。

ワインは出た年に買うのが一番安く買えます。早めに買ってワインセラーで熟成するのを待つのも一つの楽しみだと思います。

私が考えるに、15年後に飲むと決めたワインを買い夫婦や、ワイン好きな友人と15年後に会う約束をする。なんか素敵な約束ではないでしょうか?決して気軽に飲めるワインではないので思いも格別だと思います。

もし飲み頃を迎えたワインを飲まれた方はお問い合わせからで構いませんので感想を頂けると嬉しく思います。

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